財団についてABOUT

ごあいさつ

当財団は故大倉和親の志を受け継いだ繁子夫人から寄付された寄付金を基金に、昭和45年(1970年)3月に設立され、以来一貫して、経済社会の発展と国民生活の向上に寄与することを目的に、『セラミックスの発展に貢献した研究の表彰』と『今後の発展への研究助成』を行ってまいりました。
2020年に設立50周年を迎えるにあたり、改めて大倉和親が我が国のセラミックスの発展にどれほど貢献したか、その志に思いを馳せる同時に、当財団の歩みを振り返る特設ページを作成いたしました。ぜひご覧ください。
今後も、我が国のセラミックス分野の研究開発推進の一助となるよう活動を行ってまいります。

大倉和親について

大倉和親は明治8年(1875年)に東京日本橋に生まれました。明治27年(1894年)慶応義塾を卒業後、森村組(現森村商事株式会社)に入社し、神戸支店勤務を経てアメリカに渡り、森村組ニューヨーク店(森村ブラザーズ)に勤務しました。森村組は創業者・森村市左衛門が「輸出貿易による外貨獲得」を目的として設立した会社で、和親の父、大倉孫兵衛が経営に参画していました。この森村組で和親は、技術者ではないにも関わらず高級陶磁器の国産化に情熱をもって取り組んだのでした。

和親は、明治36年(1903年)、白色磁器研究のためオーストリアの製陶工場を視察し、その製造知識を習得します。翌、明治37年(1904年)、花瓶やコーヒーカップなど輸出用白色磁器製造を目的とする日本陶器合名会社(現 ノリタケ株式会社)設立に際し、初代代表社員(経営責任者)に就任しました。弱冠29歳のときのことです。

大倉 和親明治8年(1875)~昭和30年(1955)

海外生活を長く経験した和親は、いずれは衛生陶器の時代が来ることを確信し、当時すべて輸入に頼っていた衛生陶器の国産化を目指して明治45年(1912年)に製造研究を開始しました。大正6年(1917年)、日本陶器の衛生陶器専用工場として建設した小倉工場を分離独立させ、東洋陶器株式会社(現TOTO株式会社)を設立しました。設立後は、窯業機械の購入や日本初のドレスラー式トンネル窯など、欧米の先進技術を積極的に導入しました。

また、基幹産業としての電力事業を支えるためには碍子の国産化が国家にとって重要であると考え、その製造に成功し、大正8年(1919年)、日本碍子株式会社(現 日本ガイシ株式会社)として日本陶器から分離独立させました。さらに日本碍子の点火栓部門を分離し、昭和11年(1936年)、日本特殊陶業株式会社を設立しました。

日本陶器合名会社 創立の精神

このように大正・昭和初期の不況下において、技術導入と全国展開をはかる和親の積極的な経営姿勢は、セラミックス産業の基盤確立に大きく寄与しました。その一方で、「良きがうえにも良き物」を製造したいと、和親は父・孫兵衛とともに私財を投じ、大正8年(1919年)、大倉陶園(現 株式会社大倉陶園)を設立しました。

わが国の陶磁器製造の近代化に精魂を傾け、数々の陶磁器産業を興した和親は、周りから常に厚い信頼を受け、その人柄、指導力、包容力をもって、さまざまな困難を次々と克服した人でもありました。 昭和30年(1955年)79歳で、大倉和親はその生涯を終えました。

大倉和親記念財団とは

当財団は昭和45年(1970年)3月、和親が一生を捧げた窯業の発展に役立てるようにと、故大倉和親の志を受け継いだ繁子夫人から寄付された寄付金を基金に、当時の科学技術庁の指導・支援のもと、セラミックス及びこれに関連する分野における科学技術の振興を図る目的で設立されました。
以来一貫して、経済社会の発展と国民生活の向上に寄与することを目的に、『セラミックスの発展に貢献した研究の表彰』と『今後の発展への研究助成』を行ってまいりました。
今後も、世界でもトップレベルにある我が国のセラミックスの分野において

1.「従来技術の更なる進歩を追及する創造的研究開発」
2.「我が国独自のイノベーションを創出する独創的研究開発」

などの推進の一助となるよう助成を行ってまいります。

設立趣意書

科学技術の革新進歩は、今や一国の経済社会の発展と、国民生活の向上に不可欠の要素であり、現今の厳しい国際競争裏にあって更にその意義を深くしております。

わが国が将来にわたって国際社会におけるその地位を保ち更に高める為には、科学技術の振興を自らの手によって図ることこそ最も重要なことと確信するものであります。

この観点に立って、本公益財団法人は、出資者である大倉繁子氏の夫、故大倉和親氏が全生涯をわが国陶磁器工業の近代化に捧げられ、科学技術の振興につくされたその志を受け継いで、セラミックス及びこれに関する分野における科学技術の振興を図り、もって経済社会の発展と国民生活の向上に寄与することを趣旨とし、設立するものであります。

昭和45年3月25日

財団概要

名称
公益財団法人大倉和親記念財団(The Kazuchika Okura Memorial Foundation)
主務官庁
内閣府
所在地
〒105-8305
東京都港区海岸1-2-20 汐留ビルディング24F
設立年月日
昭和45年3月25日
代表理事
尾堂 真一
目的
セラミックス及びこれに関する分野における国産科学技術の振興を図り、もってわが国の経済社会の発展と国民生活の向上に寄与することを目的とする。
事業
定款
定款はこちら

役員一覧

代表理事
尾堂 真一(日本特殊陶業株式会社 代表取締役会長)
業務執行理事
宗 美予子(TOTO株式会社 東京総務部長)
理事
大橋 一之(日本特殊陶業株式会社 総務部長)
理事
岡田 清(東京工業大学 名誉教授)
理事
片岡 弘樹(ノリタケ株式会社 総務部長)
理事
鈴木 好幸(株式会社大倉陶園 代表取締役社長)
理事
三村 琢(日本ガイシ株式会社 総務部長)
監事
伊藤 慶一(ノリタケ株式会社 総務部次長)
監事
渡邉 康(三菱UFJ銀行株式会社)
評議員
大島 卓(日本ガイシ株式会社 代表取締役会長)
評議員
加藤 博(ノリタケ株式会社 代表取締役会長)
評議員
喜多村 円(TOTO株式会社 代表取締役会長)
評議員
平井 康之(三菱HCキャピタル株式会社 名誉顧問)
評議員
牧島 亮男(北陸先端科学技術大学院大学 名誉教授、東京大学 名誉教授)
評議員
森村 俊介(元 森村商事株式会社 顧問)
評議員
渡邉 正弘(三菱倉庫株式会社 東京支店 副支店長)
選考委員長
岡田 清(東京工業大学 名誉教授)
選考委員
加藤 一実(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 フェロー、イノベーションスクール長)
選考委員
加藤 真示(ノリタケ株式会社 セラミック・マテリアル事業本部長、電子ペースト事業部長(兼任))
選考委員
七瀧 努(日本ガイシ株式会社 研究開発本部 本部長補佐)
選考委員
安盛 敦雄(東京理科大学 常務理事、先進工学部教授)
選考委員
山下 仁大(東京医科歯科大学 名誉教授、工学院大学先進工学部 客員教授)

情報公開

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